オホーツク文学館
音楽家でもあった異色の北の建築家-田上義也-
【北ノ王鉱山全景 KITANO-KOUZAN LANDSCAPE 1937 FEB】は、北の王鉱山全体像を、独特のタッチで実に細かく表現しています。
作者は建築家 田上義也。帝国ホテルの設計などで知られるアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトの弟子で、音楽家でもある彼は、産業施設北の王鉱山施設のマスタープランを計画し、ここの施設の設計を行いました。
大正から昭和にかけて北海道を拠点に活躍した彼は、北海道の気候風土に根ざした洋風建築を数多く残しており、建築家でありながら札幌新交響楽団の創立者・初代指揮者も兼務する音楽家でした。
また、労働者の福利厚生施設として昭和12年に設計・建築された北の王会館は、閉山後には遠軽に移築され遠軽劇場として完成し、こけら落としには、七代目尾上菊五郎、市川海老蔵合同の東京歌舞伎が公演されました。
また、北海道家庭学校の本館や同校の桂林寮などが田上建築として現在も特徴あるその姿を現役で残しています。